質屋の経営は、収入の柱が多く失敗しにくいビジネスです。
質屋は利益率が高く収入の柱が多いため、経営が安定しやすいビジネスモデルです。鎌倉時代からあるといわれる質屋は、うまく軌道に乗せれば失敗しにくいです。
しかしそんな質屋でも、営業や業務の仕組化を怠ると経営難に陥ることも十分に考えられます。
本記事では、質屋の仕組みや経営の方法、注意点などについて徹底解説します。
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質屋とは?質屋の仕組みと経営の方法を解説
質屋の経営は、お客様から不用品を買い取ったり、品物を預かる代わりにお金を融資したりするビジネスです。
お金を融資するといっても、消費者金融のような「貸金業」ではなく、あくまで質屋営業法に沿って営業していく「質屋業」です。
管轄や上限金利が異なり、別の業務形態として分類されています。
参考①:貸金業法のキホン|金融庁
参考②:古物営業・質屋営業について|警察庁
質屋の仕組みと経営の方法は大きく2つです。
- 質屋の具体的な経営方法
- 質屋と買取専門店の違い
ひとつずつ丁寧に解説します。
質屋の具体的な経営方法
質屋の主な経営方法は「買取・販売・融資」の3つです。
質屋の経営は、お金を貸す代わりにお客様の品物を預かります。貸したお金に利息を付けて返金してもらいますが、万が一お客様に逃げられても預かった品物が資産になります。
預かった品物の価値を判断して、見合った金額をお客様に貸します。
利息が支払われなかった際は「質流れ」となり、預けたものの所有権がお客様から質屋に移ります。
所有権が質屋に移れば自由に販売ができるので、販売益が得られます。通常の買取も行っているため、買取品を販売して利益を上げることも可能です。
このように質屋の経営は、損をしにくいビジネスといえるでしょう。
質屋と買取専門店の違い
まず、質屋の経営では、「買取・販売・融資」を取り扱っています。一方、買取専門店は、「質物」を取り扱いません。
買取専門店は、買取を主な事業としています。
ただ、質屋で質物を預ける場合には、査定額が買取よりも安くなります。
理由としては、一定期間預かるので、その期間の価値変動に耐えるためです。査定額は質屋が損をしにくい範囲で定められます。
また、期間に合わせて「保管料」も発生します。
つまり、質屋と買取専門店の経営の違いとして、質物の取り扱いや査定の金額設定などにあるのです。
鎌倉時代から潰れない質屋の経営術
質屋の経営は、金融と小売りのいいとこ取りをしているところが強みです。
質屋には歴史があり、鎌倉時代から存在しているといわれています。
質屋の経営では、融資に対する利息の上限金利が「年間109.5%」まで認められています。消費者金融などの貸金業が20%に対し、その差は約5.5倍です。
そして質屋の融資は、質屋営業法に沿って営業しているため総量規制が適用されません。
総量規制とは、年収の3分の1を超えるお金を借入することができないことを定めた貸金業法のことです。
そのため質屋の経営は、金利が高く融資の上限もないために、失敗しづらいビジネスモデルとなっています。
質屋経営には質屋営業許可が必要
質屋経営は預かった商品を担保にお金を貸し出すこともあるので、公安委員会の許可を取っておく必要があります。
質屋の経営に資格や免許は必要ありません。しかし、誰でも勝手に営業していいわけではなく、警察の許可を貰い初めて出来る仕事です。
質屋営業許可について、下記二つを解説します。
- 質屋の許可に必要な手数料と交付までの期間
- 質屋の営業許可を受けられないこともある
質屋の許可に必要な手数料と交付までの期間
質屋営業許可を取得するために必要な手数料や交付までの期間を解説します。
- 新規許可申請:25,000円
- 営業所移転許可申請:12,000円
- 管理者新設・変更許可申請:5,700円
- 許可証の書換え申請:1,500円
- 許可証の再交付申請:1,300円
手数料に関しては、上記のとおりです。
また、申請から許可証の交付を受けるまでには、50日程度の期間がかかります。開業に間に合わせるためにも、計画を持って申請しましょう。
質屋の営業許可を受けられないこともある
質屋営業法に定められている「許可の基準」という項目に一つでも該当していると、営業許可が下りず、質屋経営ができません。
例として、営業許可を取得できないケースを解説します。
- 自己破産者で復権を得ない人
- 住所が定まっていない人
- 公安委員会が定めた保管設備を持っていない人
上記などの例に該当する場合は、質屋を経営に必要な許可を受けることができないため注意しましょう。
質屋の経営はどれくらい儲かるのか
質屋を経営するとどれくらい儲かるのかを解説します。
フランチャイズ店舗の例ですと、10坪以下の小規模店舗(質・買取複合店)での月間営業利益が約43万円といわれております。
あくまで上記金額は平均値なので、店舗立地や集客方法など経営を上手く行うことで、年収1000万円も夢ではありません。
理由としては、質屋には収益の柱(キャッシュポイント)が複数あり、経営を安定させやすく儲けやすいからです。
質屋を経営する際の注意点
質屋を経営する際には、持ち込まれる品物の査定に高度なノウハウが必要とされます。
品物の鑑定を熟知した人は、質屋の経営に不可欠です。
鑑定士は、求人を出して募集する方法もあります。
ただ、良い鑑定士が見つからない場合は、フランチャイズに加盟することで自らがノウハウを取得することも考えましょう。
質屋経営において注意すべき点は大きく2つあります。
- 質屋開業の資金相場は1000万円から3000万円程度
- 質屋経営はある程度の経験や知識が必要
これらについて詳しく解説します。
質屋開業の資金相場は1000万円から3000万円程度
店舗立地や規模の大きさにも左右されますが、質屋開業に1000万円〜3000万円程度の資金が必要です。
質屋を経営するには、店舗の土地代や保管庫、備品などの初期投資がかかります。
すぐには利益が上がらないことも考えたほうがいいでしょう。
つまり、数か月間利益がゼロでも経営が成り立つくらいの資金も必要です。
崖っぷちの状態で経営をしていても、想定外の出来事などに対応することはできません。余裕を持って開業資金を用意することが大切です。
質屋経営はある程度の経験や知識が必要
質屋の経営は、ある程度の経験や知識が必要です。
理由として、お客様のなかには、ブランド物のコピー品など偽物を持ってくる人も実際にいます。
そのような物を見抜けずに、お金を融資してしまった際には、高額の損失を被ってしまうこともあるからです。
質屋を経営して失敗をしないためにも、経験や知識は重要になってきます。まずは、さまざまな質屋の経営方針や査定の仕方などを勉強していきましょう。
質屋の儲かる経営方法まとめ
質屋の経営は、金融と小売りのいいとこ取りをしているので儲かりやすいです。
質屋は利益率の高いビジネスです。
また、質屋を経営する際の注意点として、経験や知識は重要になってきます。
理由として、ブランド物のコピー品など偽物を査定することも実際にあるからです。偽物を見破れず、価値のない物を取引をしてしまうと高額の損失が発生します。
成功するためにも、さまざまな質屋の経営方針や査定の仕方などを勉強していきましょう。