質屋は初心者でも起業・開業しやすいジャンルの一つです。
質屋は業務形態上リピーターが多いため、集客に困りづらく、個人でも起業・開業が可能です。
ただ、質屋の起業・開業には必要な資格があります。
詳しく知らずになんとなくで始めると、経営が継続できなくなったりそもそも起業・開業できなかったりするケースがあるため、おすすめできません。
本記事では、質屋で起業・開業する際に必要な知識や資格、どのくらいの資金が必要なのかなどを解説します。
正しい知識を得て、質屋での起業・開業を成功させましょう。
株式会社マクサスの採用情報を見る
そもそも「質屋」って何?
質屋とは、お客様から不用品を買い取ったり、品物を預かる代わりに利息をつけてお金を貸したりするビジネスです。
質屋は歴史があり、鎌倉時代から存在していると言われています。急遽お金が必要になったときに利用できるのが便利です。
分類上では消費者金融のような「貸金業」ではなく、質屋営業法に則って営業する「質屋業」です。
管轄や上限金利が異なり、別の業務形態として分類されています。
参考①:貸金業法のキホン|金融庁
参考②:古物営業・質屋営業について|警察庁
質屋はこれからも需要があるので、今から始めても決して遅くはないビジネスです。
質屋で起業・開業するメリットは?
質屋は需要があるため個人でも起業・開業しやすく、初心者にもおすすめのジャンルです。
質屋には、他のジャンルにはないメリットがあります。
質屋で起業・開業するメリットは下記の4つです。
- 一人でも開業できる
- お客様のリピート率が高く収益が安定しやすい
- 収益の柱が多い
- 地方でも開業しやすい
一人でも開業できる
質屋の主な業務は、査定と保管の2つです。
そのため、1人でも営業していけます。
開業時も1人で問題ないですし、事業が起動に乗るまでの人件費を抑えられるため、メリットと言えるでしょう。
経営がうまく成り立ち始めたら新しく人を雇うこともできるため、ひとまず1人で起業・開業してみて、その後事業を大きくしていくことも可能です。
お客様のリピート率が高く収益が安定しやすい
質屋はお客様のリピート率が高い傾向にあります。
なぜなら、商品を担保にお金を借りるため、借りる側のリスクも軽減されるからです。
そのため、一度来店してもらえると、リピーターになる確率が高いとされています。
リピート率が高いと集客に困りづらく、収益も安定しやすいです。
事業を継続すればするほど売り上げ向上につながるので、収益を安定させながら増やしていくことが可能です。
収益の柱が多い
質屋は収益の柱が多く、バランスよく運営することで収益を安定させやすいです。
質屋の収益源は「利息」「質流れ品の販売」「買取品の販売」の3つです。
質屋はお客様から品物を預かる代わりにお金を貸しますが、利息をつけて貸すため、品物をお客様へ返す際には元金と利息を支払っていただきます。
この利息が質屋の収益です。お客様から利息が支払われなかった場合、「質流れ」と言って所有権がお客様から質屋に移ります。
所有権が質屋に移れば自由に販売ができるので、販売益が得られます。
通常の買取も行っているため、買取品を販売して利益を上げることも可能です。
地方でも開業しやすい
急なお金が必要になったり、不用品を売りたくなったりするのに地域差はありません。
そのため、質屋は地方でも開業しやすいです。
リピート率が高い質屋と地方は相性が良く、信頼関係が築ければ何度も利用していただけます。
地方は都会と比べて人同士のつながりが強く、口コミでさらに多くのお客様が来てもらえる可能性もあります。
質屋の開業・起業に必要な資格や知識は?
質屋は初心者でも起業・開業しやすいため、始めようと思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、何も知らずに始めると営業停止命令が下る場合もあります。
質屋の開業・起業に必要な資格や知識は下記の3つです。
- 質屋営業許可(質屋営業法に注意!)
- 商品の知識(価値と偽物の見極め)
- 営業力・集客力
質屋営業許可(質屋営業法に注意!)
質屋として営業するには、質屋営業許可をとる必要があります。
質屋営業許可は公安委員会から取得する必要があるので、管轄の警察署に書類を提出しましょう。
注意点として、質屋営業法に定められている「許可の基準」という項目に一つでも該当していると、営業許可が下りません。
許可の基準は十一項目定められています。
住所が定まっていない人や公安委員会が定めた保管設備を持っていない人には許可が下りないので、注意しましょう。
ちなみに、「公安委員会が定めた保管設備」は各都道府県で少し異なりますが、床面積や容積、扉や鍵について定められていることが多いです。
商品の知識(価値と偽物の見極め)
質屋は買取を行ったり、品物を担保にお金を貸したりするので、商品の知識が必要です。
価値がどのくらいついているのか、偽物は存在するのかなどを見極める必要があります。
知識をつける方法としては、インターネットで調べることが一番手っ取り早いです。
今はインターネットでも情報が手に入ります。
実際にオークション会場へ足を運び、相場感覚を身につけるのもおすすめです。
古物商の資格が必要なものもありますが、現場の雰囲気が分かり、勉強になります。
経営を軌道に乗せるためにも、商品の知識はつけておきましょう。
営業力・集客力
営業力・集客力は一番大事と言っても過言ではありません。
質屋はリピート率が高いとはいえ、最初に足を運んでもらえないとリピーターになってくれません。
集客方法としては、公式サイトを作成したりダイレクトメールを送ったりする方法があります。
今の時代、何をするにもインターネット検索が主流です。公式サイトがあれば、検索された際に認知される可能性が高まります。
また、地方で起業・開業する場合はダイレクトメールを送るのも良い方法です。近隣の方は足を運んでくれる可能性があります。
しかし、集客はうまくいかないこともあります。
どうしても厳しそうならフランチャイズという選択肢もあります。
質屋開業に自己資金はいくら必要?
質屋の起業・開業に必要な知識には、質屋営業法という法律や扱う商品の知識などがあります。
加えてもう一つ知っておいてほしいのが、「質屋開業に自己資金はいくら必要か」です。
立地や規模にもよりますが、おおよそ1,000万円~3,000万円ほど見込んでおくことをおすすめします。
店舗の土地代や品物の保管庫、備品代など、思ったより初期費用がかかります。
すぐには利益があがらないことも考える必要があります。数か月間利益がゼロでも経営が成り立つくらいの資金も必要です。
ギリギリで経営していると、判断ミスをしたり想定外の出来事に対応できなかったりするので、余剰資金は持っておきましょう。
質屋で開業して儲かる?失敗する可能性は
質屋は小さく始めれば失敗する可能性は低く、稼ぎやすいです。
理由としては、質屋には収益の柱(キャッシュポイント)が複数あるため、初心者でも経営を安定させやすいからです。
また、一人でも運営できるため人件費も抑えられますし、リピーターが多いので一度店に来てもらえれば集客にもそれほど困りません。
質屋にはメリットがたくさんあるため、初心者にはぜひおすすめしたいビジネスです。
ただ、ノーリスクではないので、「小さく始める」ことがポイントです。
質屋で起業・開業する方法まとめ
質屋は初心者でも起業・開業しやすいジャンルの一つです。
質屋とは、不用品を買い取ったり、品物を預かる代わりに利息をつけてお金を貸したりすることで利益を得られます。
収益の柱が複数あり、リピート率も高いため、経営は安定しやすいです。
始める際には、自己資金1,000万円~3,000万円ほどと質屋営業許可、集客力が必要になります。
集客が不安な方は、フランチャイズも検討しましょう。小さく始めれば稼ぎやすいので、質屋開業を検討してみてください。
他ジャンルでも起業・開業は可能なので、興味のある方は、他の記事も読んでみてください。