古物市場で偽物を購入した際は、警察へ報告する義務があります。
古物市場は、商品の仕入れ・商品売却できる場です。
偽物を購入した場合、適切な行動をしなければ法律違反になってしまう恐れがあります。
あらかじめ対処法を知っておき、いざというとき冷静に対処できるようにしましょう。
本記事では、偽物を見分けるコツをあわせて紹介します。
見分けるコツを知れば、万全の体制で古物市場に参加できるでしょう。
対処方法を知れば、初心者でも安心して古物市場に参加できます。
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古物市場に偽物は置いていない
基本的に、古物市場に偽物が置かれる可能性は低いです。
理由として、以下の2つがあげられます。
- 買取店を通して仕入れている古物市場が多い
- 古物市場の信用に関わる
2つの理由を、それぞれ詳しく解説します。
買取店を通して仕入れている古物市場が多い
古物市場で取り扱う商品は、買取店を通して仕入れる傾向にあります。
買取店とは、客が持っている品を古物商が買取を行う店です。
持ち込まれた品に対して、古物商は以下を確認します。
- 商品が本物か偽物であるかどうか
- 適切な値段をつけるための商品状態
さらに古物商は古物営業法によって、偽物の買取・販売を厳しく禁止されています。
従って古物市場に集まる品は、古物商が買取した「本物」である可能性が非常に高いのです。
古物市場には、古物商が買取した本物が集まるといえます。
古物市場の信用に関わる
古物市場の運営者・参加者は、古物商許可を取得しているプロです。
古物商は、法律によって偽物の買取・販売ができません。
つまり、古物市場に偽物を置くと、以下の状況になります。
- 偽物は誰にも購入されず、在庫として残り続ける
- 主催者である古物商が、偽物を置く許可をだしたと考えられる
- 参加者に偽物を購入させるリスクを負わせる
古物市場に偽物を置いてしまうと、管理責任不足に問われるといえます。
古物市場に偽物を置くのは、信用問題に発展する恐れがあるのです。
古物市場で偽物を購入したらすぐに警察へ報告
偽物を購入した場合、偽物だとわかった時点で警察へ報告する義務があります。
警察に報告せずに所持・販売した際に考えられる違反・罰則は、以下のとおりです。
- 古物商許可の資格取消
- 営業停止処分(6か月以内)
- 古物営業法違反(3年以下の懲役・100万円以下の罰金、もしくは両方)
- 商標法違反(10年以下の懲役・1,000万円以下の罰金、もしくは両方)
- 不正競争防止法違反(5年以下の懲役・500万円以下の罰金、もしくは両方)
警察に報告すれば、違反・罰則が科される可能性はほとんどありません。
違反・罰則の対象となるのは、以下の場合です。
- 偽物だと知っていながらの買取・販売
- 偽物を本物だと偽っての販売
古物商許可を取得した時点で、古物商は警察への報告義務を負います。
目利きができないなら真贋鑑定が大事
目利きに自信がない・偽物であるか判断が難しい場合は、真贋鑑定の依頼がおすすめです。
真贋鑑定とは、ブランド品が本物か偽物かどうかを判断する団体が行う鑑定をいいます。
以下は、真贋鑑定を行う一般社団法人です。
- 全国質屋ブランド品協会
- 日本流通自主管理協会
団体独自の基準・ノウハウで、本物か偽物かどうかを判断してくれます。
全国質屋ブランド品協会
全国質屋ブランド品協会(ATF)は、2008年12月に設立した一般社団法人です。
全国約200店舗の加盟店が一丸となり、偽造品排除に取り組んでいます。
一般・加盟店以外の真贋鑑定は、行われません。
加盟店各店舗が自店で真贋鑑定を行い、判断が難しい場合は以下の順で審査が進みます。
- いくつかのブロックごとで、真贋鑑定・会議が行われる
- 本部の判定部にて、現品の真贋鑑定が行われる
- 全国の加盟店の意見に基づき、最終判断が下される
ATFの看板もしくはステッカーで、加盟店かどうかを確認できます。
日本流通自主管理協会
日本流通自主管理協会(AACD)は、1998年4月に設立した一般社団法人です。
主に並行輸入品などのブランド品に関して、不正商品排除に取り組んでいます。
日本流通自主管理協会の活動は、以下のとおりです。
- 協会基準マニュアルをブランドごとに作成
- 「協会基準判定士」の養成・認定
- 協会基準に基づく真贋鑑定
- 一般消費者向けのブランド品相談口「AACD消費者Q&Aセンター」
- 不正商品のトラブル解決の相談窓口「ブランド110番」
加盟店には、天秤マークのステッカーが貼ってあります。
古物市場に参加するなら目利きが大事
古物市場に参加するうえで、目利きのスキルは重要です。
目利きのスキルが必要となる理由として、以下があげられます。
- 鑑定士に資格はない
- 良い商品がわからない
少しずつでも、目利きのスキルを身につけるのをおすすめします。
古物市場は、商品の相場を知る場としても活用できます。
鑑定士に資格はない
鑑定士には、公的な資格はありません。
偽物かどうかは、鑑定する古物商の目利きによって判断する必要があるのです。
目利きのスキルを培うための手段として、以下があげられます。
- 鑑定士のもとでの修行
- 会社や勤め先によるカリキュラムの履修
ブランド品や美術品は、とくにコピー品などの偽物が多いため注意しましょう。
良い商品がわからない
良い商品を見分けるためにも、目利きは必須です。
古物市場では、基本的に以下の競り方式が採用されています。
- 手競り型
- オンライン入札型
- 入札型
いずれも、短時間で良い商品であるかを把握しなければいけません。
従って、良い商品を見分ける目利きが大切なのです。
下見時間がある古物市場であれば、じっくり目利きする時間が得られます。
鑑定士が偽物を見分けるコツを紹介!
鑑定士は、偽物を見分ける必要があります。
偽物を見分けるポイントは、以下のとおりです。
- 金具部分の光沢にムラがある、ブランドバッグ
- 金具部分のメッキが剥がれている、ブランド品
- 歪みが全くない、キレイすぎる工芸品
また、以下の動画で紹介している「鑑定士による偽物を見分けるコツ」を参考にするのをおすすめします。
動画ではコツのほかに、鑑定士だけが知る以下の裏話が知れます。
- 偽物を売りにきたお客様のエピソード
- お客様から聞いた、偽物を手に入れた経緯
- 偽物だと伝えた際のお客様の反応
とくに、動画で紹介する「偽物を持ってくる人の特徴」は必見です。
おすすめの古物市場
古物市場は、古物商同士が古物を売買する場です。
おすすめの古物市場として、以下の3つを紹介します。
- 関東道具市場(栃木)
- 新大阪道具市場(大阪)
- 福岡ドリームオークション(福岡)
古物市場によって、取り扱い品をはじめとする特徴や、開催日の流れが異なります。
関東道具市場(栃木)
ジャンル | 家電・工具雑貨・厨房機器・楽器・衣類・美術骨董・ブランド品など |
公式サイト | https://www.kantou-ichiba.jp/ |
入会費 | 22,000円 |
参加費 | 1,870円 |
開催日時 | 毎週月曜日 午前10時開催 |
歩合 | 売合10%・買合5% |
運営組合名 | 関東道具市場共同組合 |
TEL | 0282-55-5548 |
参考:https://www.kantou-ichiba.jp/ 2022年6月現在
関東道具市場の特徴として、以下があげられます。
- オークション出品予定品を写真・リストで確認可能
- 出品商品の入庫状況をライブカメラで確認可能
- 搬入は、開催日2日前の正午まで
- 家具・工具・オフィス家具が多い
出品予定の商品を確認する手段が多いため、狙っている商品の入荷状況を把握しやすいです。
新大阪道具市場(大阪)
ジャンル | 家電・家具雑貨・ブランド品・宝飾品・事務用品・工具・衣類・美術骨董など |
公式サイト | http://www.artfuruno.com/ |
入会費 | 20,000円 |
参加費 | リサイクル市:1,000円 着物市:2,000円 貴金属・時計・ブランド市:3,000円 |
開催日時 | リサイクル市:毎週金曜日 午前9時開催 着物市:偶数月第1火曜日 午前9時開催 貴金属・時計・ブランド市:毎月第3火曜日 午前10時開催 |
歩合 | 売歩0%・買歩5% |
せり金額単位 | 500円 |
運営会社 | 株式会社アート吉野 |
TEL | 06-6322-5591 |
参考:http://www.artfuruno.com/ 2022年6月現在
新大阪道具市場の特徴は、以下のとおりです。
- 匿名取引で登録業者数は約1,500社
- はじめて古物市場に出品される商品が多い
- 当日持込み可
- 下見時間あり
商品ジャンルによって開催日が異なるため、比較的落ち着いて商品の確認ができるでしょう。
福岡ドリームオークション(福岡)
ジャンル | 家電・家具・工具雑貨・厨房機器など |
公式サイト | https://da-fukuoka.com/ |
入会費 | 24,000円 |
参加費 | 1,000円 |
開催日時 | 毎週火曜日 午前9時半開催 |
歩合 | 売歩10%・買歩5% |
運営会社 | 福岡ドリームオークション |
TEL | 092-558-2080 |
参考:https://da-fukuoka.com/ 2022年6月現在
福岡ドリームオークションの特徴として、以下があげられます。
- 西日本最大級の古物市場
- 新規入会者は、3年以上の現会員による紹介状が必要
- 「厨房・事務機器」と「その他」の二部構成
アパレル系も出品されますが、家電や家具が多い傾向にあります。
古物市場は初心者も参加可能だけど偽物に気をつけよう
古物市場は、商品を安定して仕入れられる貴重な場です。
偽物が置かれている可能性は低いため、初心者でも安心して参加できるといえます。
とはいえ、偽物でないかをしっかりと確認するようにしましょう。
もし、購入した商品に偽物の可能性があるならば、真贋鑑定を利用するのもおすすめです。
偽物を購入しないためにも、日々、目利きスキルを磨きましょう。
偽物であった場合は、速やかに警察に報告してください。