買取業には資格ではなく、許可が必要です。
買取業を行う店舗によって、鑑定士が在籍しているケースがあります。しかし、買取業を行うには資格ではなく、古物商許可という許可が必要です。
とはいえ、古物商許可が不要である取引もあります。
許可が必要な取引と、不要な取引を正しく理解しておきましょう。
本記事では、買取業が成功するコツをあわせて紹介します。
低リスクで成功できる起業が、実現できるでしょう。
コツを知って、買取業成功への道を進みましょう。
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買取業に必要なのは資格ではなく古物商許可
買取業には、特別な資格は必要ありません。
買取業に必要なのは、古物商許可という許可です。
古物商許可を取得せずに買取業を行った場合、以下のペナルティが科される恐れがあります。
- 3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくは併科
- 5年間に及ぶ、古物商許可の取得禁止
2つのペナルティは、古物法のなかでももっとも重い罰則です。
古物商許可の取得は、書類を提出する簡単な手続きで取得できます。
買取業を行う際は、必ず古物商許可を取得するようにしましょう。
古物商許可の取得方法
古物商許可を取得するためのステップは、下記の4つです。
- 営業所の管轄警察署へ行く
- 必要書類を揃える
- 申請書・必要書類を提出
- 許可が下りたら古物商として働ける
申請書の提出を行うだけで、古物商許可の取得ができます。
古物商許可取得の手順を詳しく紹介している、以下の記事もおすすめです。
続いて、ステップごとの注意点を紹介します。
営業所の管轄警察署へ行く
営業所の管轄警察署の「生活安全課防犯係」を訪ねて、必要書類を確認しましょう。
都道府県や警察署によって、提出する書類・申請書が異なるケースがあります。
書類不備を防ぐために、事前の確認がおすすめです。
ただし、以下の場所は営業所に指定できないため、申請する際は注意しましょう。
- 保管するだけの倉庫・駐車場
- 古物の買取・販売・仕入れ・レンタル・事務作業を行わない場所
- 居住専用や、営業所としての使用承諾が得られていない賃貸
- バーチャルオフィスなど、本店登記をしているだけの実体がない場所
営業所として使用できない場所であれば、申請自体できません。
必要書類を揃える
必要書類は以下のとおりです。
- 古物商許可申請書
- 身分証明書
- 誓約書
- 住民票
- 略歴書
- そのほか、都道府県や管轄警察署ごとで異なる
以下は、市区町村役場で取得する必要があります。
申請書への転記で必要になるため、事前に取得しておくのがおすすめです。
- 身分証明書
- 住民票(本籍地記載あり・マイナンバー記載なし)
必要書類の詳細が確認できる、以下の記事をあわせて確認するとよいでしょう。
申請書・必要書類を提出
管轄警察署の「生活安全課防犯係」に、申請書・必要書類を提出します。
提出する際は、以下が必要です。
- 申請書・必要書類
- 申請手数料
- 免許証や保険証などの、身分証
担当者が不在の場合、申請できない恐れがあります。
事前に電話で、古物商許可申請書類の提出予約を入れるのがおすすめです。
また、必要書類の取得日には注意する必要があります。
以下を確認してから提出しましょう。
- 作成日付が申請日から3か月以内
- 審査完了まで有効である書類(標準審査期間40日)
提出可能日は、平日の日中のみです。
許可が下りたら古物商として働ける
古物商許可が交付されると、古物商として働けます。
標準処理期間は、申請書が受理された翌日から起算した「土日を除く40日」です。
審査が修了して許可証の交付準備が整えば、警察署から電話連絡があります。
管轄警察署の「生活安全課防犯係」で許可証の交付を受けましょう。
古物商許可証の交付には以下が必要です。
- 認印
- 免許証や保険証などの、身分証
古物営業について説明があるため、時間に余裕をもって警察署を訪れましょう。
質屋にいるブランド鑑定士について
ブランド品のなかには、コピー品や偽物が紛れている場合があります。
そこで活躍するのが、質屋にいるブランド鑑定士です。
本物を見きわめるブランド鑑定士について、解説します。
ブランド鑑定士による査定に、安心感を抱く人は多いようです。
ブランド鑑定士とは?
ブランド鑑定士とは、ブランドのバッグ・アクセサリーなどを目利きして査定する人です。
ブランド鑑定士の役割として、以下があげられます。
- 本物か偽物かを見きわめる
- 商品の状態を確認する
- 正しい価値(買取金額)を算出する
- 偽物やコピー品の流通を防ぐ
ブランド鑑定士は、ブランド品に関する膨大な知識が必要です。
とはいえ、ブランド鑑定士という公的資格はありません。
あくまで、自らが「ブランド鑑定士」だと名乗っているだけなのです。
ブランド鑑定士が所有しているのは、資格ではなく古物商許可です。
必ずしも必要とは限らない
ブランド鑑定士という名目は、必ずしも必要とは限りません。
なぜなら、ブランド鑑定士は「ブランドである保証」はできないからです。
ブランドを所有する会社だけが、ブランドの価値を保証できます。
従って、ブランド鑑定士は「鑑定するだけ」なのです。
豊富な知識とスキルがあれば、誰でもブランド鑑定士を名乗れます。
一方で、ブランドを鑑定するうえで役立つ民間資格が2つあります。
- 協会基準判定士
- JBSジュエリー鑑定士MGE
民間資格を取得すれば、ブランド品の鑑定に役立つ知識やお客様への信頼が得られます。
古物商許可は必須であるのか?
取引によっては、古物商許可が必要な場合と不要な場合があります。
許可が必要であるにも関わらず、未所有であった場合は違反行為です。
罰則や行政処分の対象になる恐れがあるので、十分に注意しましょう。
古物商許可が必要な場合と、不要な場合をそれぞれ解説します。
必要な場合
古物商許可が必要な場合は、以下の両方に該当する取引です。
- 取り扱う品が「古物」に該当する
- 盗品・偽物の流出を防ぐ、古物営業法に該当する取引
以下の13品目は、古物に該当します。
- 美術品
- 衣類
- 時計・宝飾品類
- 自動車
- 写真機類
- 事務機器類
- 機械工具類
- 道具類
- 皮革・ゴム製品類
- 書籍
- 金券類
さらに具体的な取引として、以下があげられます。
- 古物を買取って売る
- 古物を買取って修理して売る
- 古物を買取って部分的に売る
- 古物を買取ってレンタルする
- 古物を別のものと交換する
- 国内で買取った古物を国外で売る
- 古物を買取らずに、売ったあとに手数料をもらう
上記の行為をインターネット上で行う場合も、古物商許可が必要です。
不要な場合
古物商許可が不要な場合は、以下に該当する取引です。
- 盗品・偽物の流出を防ぐ、古物営業法に該当しない取引
- 第三者を介さない、自分で手に入れたものに関する取引
たとえ転売目的で購入したとしても、新品であれば古物商許可は必要ありません。
なぜなら、新品は盗品・偽物である可能性が限りなく低いからです。
また、具体的な取引として以下があげられます。
- 自分のものを売る
- 自分のものをオークションに出品する
- 無償でもらったものを売る
- 新品を購入して売る
- 相手から手数料をとって回収したものを売る
- 自分が売ったものを、相手から買い戻す
- 自分が海外で買ってきたものを売る
基本的に、売却のみであれば古物商許可は不要です。
買取業を起業して成功するコツ
買取業を成功させるためには、起業後に経営を安定させる必要があります。
経営を安定させるコツは、以下の3つです。
- 接客スキルを上げる
- 小規模から始める
- 買取業を好きになる
コツをつかめば経営を安定でき、成功に導けます。
接客スキルを上げる
お客様が満足できる接客スキルを身につけるのが、成功への第一歩です。
質の高い接客を行えば、以下が成果として得られます。
- 買取価格に納得して、商品を売却してくれる
- お客様がリピーターになる
- よい口コミや評判が、新たな集客につながる
高い質の接客を行うために、以下のような接客をしないように気をつけましょう。
- お客様に寄り添わない、圧を与える話し方
- 独り語りのような、一方通行の会話
- 買取価格に不安や不満を抱かせるような、自信のない話し方
1人のお客様の満足は、大きな利益をもたらす可能性をもっているのです。
小規模から始める
買取業を成功させるために、まずは小規模での事業安定を目指しましょう。
大規模な経営では、店舗費用や人件費など多くの費用が必要です。
収入が安定しないなかでの大きな出費は、経営を圧迫してしまうリスクを伴います。
従って、経営が安定するまでは小規模で運営するのがおすすめです。
小規模の経営を行うためのポイントとして、以下があげられます。
- オーナー1人での経営による、人件費削減
- 小スペースでの経営で、家賃削減
小規模での事業が安定してから、事業拡大を目指すようにしましょう。
買取業を好きになる
買取業を好きになるのが、買取業を成功するコツのひとつです。
ただ事務的に淡々と買取業を行うだけでは、成功しません。
なぜなら、買取業では以下の3つを常に行う必要があるからです。
- 最新の顧客ニーズを把握する
- ブランドに関する膨大な知識を学ぶ
- 目利きや鑑定スキルを磨く
従って買取業は、常に学ぶ姿勢・情熱をもち続ける必要があるといえます。
買取業を好きになって真髄に向き合うのが、成功するためのコツなのです。
買取業には、情熱をもって取り組みましょう。
買取業には必要な資格はない
買取業には、ブランド鑑定士などの資格や名目は必要ありません。
しかし、古物の売買を行うには古物商許可の取得が必須です。
許可を取得していなければ、刑罰・行政処分の対象になる恐れがあります。
言い換えれば、古物商許可さえ取得できれば誰でも買取業が行なえるのです。
とはいえ、許可を取得しただけでは成功しません。
成功するためには、資格ではなく鑑定スキルを向上させる努力が必要です。
紹介した3つのコツを実践し、成功への道を進みましょう。