フリマアプリや転売がよく話題になっていますが、古物商は儲かるのでしょうか。
古物商は注目されているビジネスのひとつです。
古物商の許可を受けている人数は毎年1万人以上というデータがあるほど、人気のビジネスであるともいえます。
人気の理由は、古物商は初心者でも多くの利益が得られるビジネスだからです。
そこで今回、気になる古物商の平均年収・月収を大公開します。
古物商というビジネスに興味をもっている人や古物商の平均年収が知りたい人はぜひチェックしてください。
安定した年収を得るための秘訣も紹介します。
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古物商の年収を会社員と個人で比較
古物の売買をビジネスとするには、下記の2つの方法があります。
- 個人で経営、開業する
- リサイクルショップの社員になる
リサイクルショップの社員と個人では、どれくらいの年収の差があるのかを解説します。
古物商会社員と個人経営者の年収を比較してみましょう。
古物商会社員の平均年収
大手リサイクルショップの店長や社員の平均年収は400万円前後といわれています。月収でいえば、30万円を少し超える程度です。
一方、一般企業に勤めている会社員の年収は433万円というデータがでています。(令和2年分民間給与実態統計調査結果について/国税庁)
古物商会社員の平均年収は、企業の会社員の年収よりも少し低いといえます。
ちなみに、業種別の平均年収をみてみると、古物商と近い業種である卸売業・小売業の平均年収は372万円でした。
卸売業・小売業の会社員と比較すると、古物商の社員の方が年収はやや高いといえます。
古物商会社員の年収は、それほど高いわけではありません。
個人で古物商を行っている人の年収
個人で古物商を行っている人のなかには、平均年収が1,000万円以上という人も多いです。
同じ古物商でも、古物商会社員との平均年収の差は2倍以上です。
とはいえ、個人経営者すべての平均年収が高いというわけではありません。なかには年収200万円ほどという人もいます。
しかし、平均年収1,000万円以上は決して遠い夢の話ではありません。
非常に現実的な年収です。
だからこそ、古物商は人気のあるビジネスなのです。
古物商が稼げるビジネスである理由を解説します。
古物商で年収を上げたいなら開業がおすすめ!その理由は?
大手リサイクルショップの会社員では定められた給与のみです。
しかし、開業すれば利益はすべて自身のものです。
とはいえ、開業はハードルが高いと思う人も少なくありません。
しかし、実はそうではありません。古物商は初心者でも開業しやすく、稼ぎやすいビジネスだからです。
理由は下記の4つです。
- 一人で開業することができる
- 自室の一室から始めることができる
- 頑張った分だけ年収が増える
- 古物商許可取得で節税できる
それぞれ詳細を解説します。
古物商を開業するには特別な経験は必要ありません。
一人で開業することができる
古物商は一人で開業することができます。
なぜなら古物商を行うには、営業する場所に責任者を誰か1人選任するというルールしかないからです。
そのため、会社を起すときのような、まとまった資本金や役員は一切必要ありません。
自分が責任者となればすぐに開業可能です。
ただし、下記の2点に該当する人は責任者になれないため注意しましょう。
- 未成年者
- 営業所に常駐できない人
古物商は、ほかの仕事と比較して開業しやすい事業です。
自宅の一室から始めることができる
古物商は自宅の一室さえあれば開業できます。
理由は下記の2つです。
- 古物商が扱う商品サイズはさまざま
- 店舗がなくても営業できる
古物商の商品は、冷蔵庫などの大型家電からCDといった小さなものまでさまざまです。
そのため、限られたスペースでも十分に古物商を行えるといえます。
また、古物商ではネットのみの販売が許可されているため、店舗がなくても古物商が行えます。
古物商は、時間や場所に拘束されず、世界中の人と取引ができるビジネスです。
古物商は気軽に開業できるため、副業としても人気です。
頑張った分だけ収入が増える
古物商を自身で行えば、頑張った分だけ収入が増え続けます。
理由は下記の2つです。
- 安く商品を仕入れ、高く売れば売るほど収入が増える
- 流行りに左右されたり需要が減ったりしない
古物商が取り扱う中古品は次々に増えていきます。なくなることはありません。
さらに、近年はエコが重視されています。エコの観点から中古品を購入する人が増え続けています。
従って古物商は、ほかの職業よりも収入が安定しやすく、頑張れば頑張るだけ収入が増えるビジネスといえます。
古物商は「やりがいのあるビジネス」という声も多いです。
古物商許可取得で節税できる
古物商を行ううえで、古物商許可を取得すれば節税も可能です。
確定申告を行う際、最大65万円の特別控除が受けられる「青色申告」を選択できるからです。
個人で事業を始めるにあたり、毎年3月に確定申告を行う必要があります。
このとき、古物商許可を取得していれば「青色申告」が選択可能です。
開業してから2か月以内に、税務署へ「青色申告」を申請しましょう。
青色申告では、一般的である白色申告にはない節税ポイントが多くあります。
共に働いた配偶者への給与を必要経費にできたり純損失の繰越し・繰戻しができたりと、大きな節税が可能です。
白色申告と比較すると帳簿の記帳方法がやや複雑ですが、それを上回る節税が期待できます。
開業するなら断然、青色申告をおすすめします。
古物商で開業するなら古物商許可は必要?
古物商許可は、「古物をビジネスとして売買すること」を公安委員会から許可された際に取得できる資格をいいます。
申請先は、営業場所を管轄している警察署です。手数料として19,000円がかかります。(2022年4月現在)
続いて、古物商許可は必要であるかを解説します。
法律に関わるため、要チェックポイントです。
古物商許可を取得しないと中古品の転売ができない
中古品の売買を行うには、古物商許可を取得しなければいけません。
もし古物商許可を取得せずに営業してしまった場合、古物営業法の違反として刑罰の対象です。
3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される恐れがあるため十分に注意しましょう。
古物商許可証が必要な取引は下記のとおりです。
- 古物を買い取って販売する
- 古物を買い取ったあと、修理して販売する
- 古物を買い取り分解して、使える部品を販売する
- 古物を別の物と交換する
- 古物を買い取って、レンタル商品として貸し出す
- 国内で買い取った古物を海外で売る
- 古物を買い取らずに、売ったあとに手数料をもらう(委託売買)
ネット上であっても、古物商許可は必要です。
古物商では、盗難品や偽物と出会う可能性があります。
そのため、古物商には「不正品の流出防止」「警察への協力」義務が課せられます。
古物商許可証は、犯罪に加担しないことを守れる人にのみ与えられる資格といえます。
古物商許可を取得する際、不正品を取り扱わないという誓約書へサインをします。
また、発行された古物商許可証は営業を行っているあいだ常に携帯しておかなければいけません。
不携帯であった場合は10万円以下の罰金が科されます。
許可証の携帯や義務が課されますが、古物商許可の取得自体は難しいものではありません。古物商許可は必ず取得しましょう。
古物商許可取得で手取り年収を増やすことができる!
古物商許可を取得すると、手取り年収を増やせます。
なぜなら古物商許可を取得することで、仕入れのためにつかった金額を売上から引くことが可能だからです。
分かりやすく説明します。
一般的に、税金は売上金額に課税されます。
たとえば、50万円で仕入れた商品を70万円で売った場合、売上の70万円に課税されます。
一方、古物商許可を取得すると確定申告の際、50万円は「仕入れ」として計算できます。課税されるのは利益の20万円のみです。
従って、課税金額が減った分、手取り年収が増加するといえます。
税金の負担を減らすことで、手取り年収を増やせます。
失敗しない!古物商開業で安定した年収を得る方法
古物商の開業がおすすめである理由と注意点を解説しました。
続いて、古物商を開業するうえで安定した年収を得るための秘訣を紹介します。秘訣は下記の4つです。
- 最初は固定費をできるだけ小さくする
- 商品の知識を蓄えて1回の売買の利益率を増やす
- 古物市場を活用する
- 古物商フランチャイズで開業する
4つのポイントを知ることで、初心者でも失敗するリスクを大幅に減せます。
最初は固定費をできるだけ小さくする
まずはテナント料や電気代といった固定費を抑えて、売上を増やすことに専念しましょう。
固定費が小さければ、売り上げが少なかったとしても大きな痛手にはなりません。
削減できる固定費として、テナント料があげられます。
古物商は無理に店舗を構える必要はありません。フリマアプリやネットショップを利用すれば古物商は行なえます。
店舗型にチャレンジしたり、事業拡大を目指したりするのは、ビジネス感覚を掴んでからでも遅くありません。
まずは固定費を抑えて、安定した収入を目指しましょう。
リスクと固定費を抑えて、資金を少しずつ増やしていくとよいでしょう。
商品の知識を蓄えて1回の売買の利益率を増やす
無闇に売るのではなく、1回の売買の利益率を増やしましょう。
開業したばかりの頃は、金銭面などを理由に仕入れられる商品には限りがあります。従って、1回の売買における利益率を増やすことが大切です。
効率よく収入を増やしていきましょう。
利益率を増やすには、安く仕入れて高く売ることが基本です。
よく売れる商品・高く売れる商品を把握しておく必要があります。
とはいえ、需要があるものの多く流通している商品は、高値で売れるとはいえません。
あまり出回っておらず、需要が高い商品を見きわめて仕入れることをおすすめします。
下記のような商品が該当します。
- アニメ関連のグッズ
- 骨董品などのアンティークもの
- 日本の伝統工芸品
骨董品においては、見きわめる能力が必要です。
しかし、場合によっては安く仕入れて高く売れる商品といえます。
アンティークものは国内だけでなく、国外でも一定数の需要があります。
古物市場を活用する
古物商許可を取得している人のみが参加可能な「古物市場」をうまく活用しましょう。
古物市場を活用する理由は下記の2つです。
- 安い値段での仕入れが可能
- 在庫の処分が可能
古物市場は、一般に出回っているよりも安い値段で古物が売買されます。
つまり、安い値段で大量に商品が仕入れられます。商品の在庫確保だけでなく、利益率の増加にも繋がるといえます。
また、古物市場では商品の販売も可能です。
売れずに在庫として残っている商品が処分できます。
古物市場で、売れない商品を売り新しい商品を安く仕入れましょう。
古物市場を活用することで、安定した年収が期待できます。
古物商フランチャイズで開業する
古物商フランチャイズで開業するのもおすすめです。
開業したばかりで問題になりやすい、下記の2つが解決できるからです。
- うまく集客できない
- 取扱う商品が少ない
個人経営は、無名での開業となるケースが大半です。そのため、集客に苦戦する傾向にあります。
一方、フランチャイズで開業するとブランド化した店名が使用できます。開業したばかりでも一定の集客が期待できるといえます。
さらに、フランチャイズでは本部によって在庫が供給されることも少なくありません。
商品となる在庫を集める時間と費用が抑えられるだけでなく、在庫が多いほど売上の増加が望めます。
従ってフランチャイズは、開業したばかりでも安定した年収が得られます。
自分1人で開業することが不安であれば、フランチャイズがおすすめです。
古物商は固定費が小さいから年収が安定しやすい
ほかの業種と異なる、古物商の特徴は下記の2つです。
- 初期費用や固定費があまりかからない
- 売れない在庫は売って処分できる
開業した人が失敗する理由のひとつに、固定費が大きいことがあげられます。売り上げが少ない場合、固定費が大きな痛手となるからです。
一方、古物商は店舗を構える必要はなく、従業員を雇う必要もありません。固定費が小さいため収入が増やしやすいといえます。
さらに、売れない商品は古物市場で処分可能です。
従って、古物商は赤字になるリスクが少なく、安定した収入が得られるビジネスだといえます。
古物商は、大きなリスクなく、堅実に年収アップが目指せます。