今最も勢いのある事業の一つに、リユース業界があります。
リサイクル通信さんが発表した記事によると、2021年のリユース業界の市場規模が前年比11.7%増になっています。
小売業全体で、こんなに成長している業態は中々ありません。
しかし、この市場規模拡大は、今後も続いていくのでしょうか?
今回の記事では、リユース業界の将来性について、詳しく解説していきます。
記事を最後まで読んで頂ければ、リユース業界の将来性について理解を深めることが出来ます。
現状の課題なども解説しているので、是非とも最後まで目を通してみてください。
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リユース業界の将来性は?
結論から言うと、リユース業界に将来性はあります。
どうして将来性があるのかというには、いくつかの理由があります。
具体的な理由を解説しながら、今後の課題なども見ていきましょう。
11年連続成長中
リユース業界は、11年連続で市場規模が増加している業態です。
冒頭で記載した通り、2021年の市場規模は前年比11.7%増で終わりました。
1兆円以上市場規模がある小売業で、年間11%以上規模が増加する業態は中々ありません。
そして、この上昇トレンドは今後も続いていくと予測されています。
2025年には市場規模が3.5兆円を突破するとの見方もあり、今最も勢いがある業界なのです。
現状の課題
リユース業界には現状、主に2つの課題があります。
- 店舗型からネット型への切り替え
- 業界内の競争の激化
今まで実店舗でリユース事業を行ってきた大手の企業も、どんどんネット型に切り替えつつあります。
店舗型だけでリユース事業を行うことは、今後おすすめ出来ません。
逆にネット型のリユース事業にも力を入れていけば、将来性はかなりありそうです。
ネット上で取引が進んでいくと、情報のグローバル化は避けられません。
なので、価格競争は今後激化していくことが予測されます。
大手が完全にネット型に移行する前に、早く業界に参入すれば競争を勝ち抜くことにも繋がるでしょう。
将来性
リユース業界は、将来性のある業態です。
確かに、業界内の競争は激化しています。
しかし、それに合わせて市場規模もかなりの勢いで大きくなっているので、今から参入しても十分稼げるのです。
日本政府はSDGsなども含め、環境問題に対して非常に力を入れ始めています。
リユース業は、物を再利用する業態なので、環境問題の側面でも強みが発揮できるのです。
そういった背景もあり、今後リユース業界は将来性がある業態だと言えるでしょう。
リユース業界の魅力とは?
リユース、リサイクル業界は「古物商」と呼ばれる事業者です。
古物とは中古品の事で、お客様から買い取った品物をクリーニングや修復を行って別のお客様に販売します。
不要になった品物を買取り、さらに新品よりも割安で販売できるため、売り手にも買い手にもメリットがあるのが魅力となります。
もちろん、古物商もその過程で利益を得ているので、3者にメリットがあるビジネスモデルなのです。
循環型社会の形成に役立っているので、やりがいを感じやすい事業でもあります。
よく同じにされる3Rの違いとは?
リユース業界の常識として「3R」という言葉がよく登場します。
3Rとは、以下の3つの言葉の頭文字を表したものです。
- リユース
- リサイクル
- リデュース
それぞれ言葉の意味合いが異なるので、どのように違うのかを解説いたします。
リユース
リユースとは再利用の意味です。
つまり、不要になった商品を買い取ってメンテナンスをし。他の必要な人に販売する事業です。
買い取った商品にクリーニングや修復などのメンテナンスは行いますが、商品はそのままの形で売られていきます。
不用品を換金できるメリットもありますし、買い手は品物を安く購入できるメリットもあります。
リデュース
リデュースとは、「減らす」、「縮小する」という意味の言葉です。
つまりリデュースとは、ゴミの発生を減らすという意味になります。
今までレジ袋をもらっていたのをエコバッグに変え、廃棄物を減らしたりする行為が、リデュースです。
リデュースを行う事で、環境負荷を最小限に抑えることが可能です。
リユースとは言葉がよく似ていますが、意味はかなり違いますね。
リサイクル
リサイクルとは、資源の再資源化を表す言葉です。
ペットボトルやアルミ缶、ガラスなどは回収して処理を行う事で、別の資源として再利用できます。
資源を再利用できるので、地球環境に与える悪影響を減らせるのです。
リユースは買い取った商品を、そのままの形で他者に提供しますが、リサイクルは買い取った商品の原料を利用します。
リユース業界の特徴
リユース業界は、新品を販売する小売業とは少し違う特徴があります。
主な特徴を、3つほどまとめてみたので見ていきましょう。
中古品は1点物
リユース業界で扱われる中古品は、全て1点物です。
確かに全く同じ商品は出回っていますが、使用時についたキズやシミなどは1点1点異なります。
なので、リユース業界で扱われる商品に全く同じ物はありません。
メーカーが作った同じ商品を、大量にまとめて販売しないところが、逆にリユース業界の強みでもあるでしょう。
偽物を買取る可能性もある
リユース業界で買取査定をすると、偽物を買い取ってしまう恐れもあります。
偽物を買い取ってしまい、そのまま販売してしまうと商標権侵害の罪に問われることもあるのです。
そのため、確かな目で買取査定を行う必要があります。
買取査定に不安がある場合は、信頼できるFCに加盟してサポートを受けるのも一つの方法ですね。
不況にも負けない
リユース業界は不況に強い特徴があります。
リユース業界で扱われている商品は、新品の商品よりも販売価格が安いです。
そのため世の中が不況になった時に、多くの消費者がリユース商品を購入しようとします。
不況だと企業も商品開発のコストを抑えたりしがちですが、リユース業界に商品開発は必要ありません。
様々な理由で、リユース業界は不況に強いのです。
リユース業界で将来生き残るには?
リユース業界に参入する企業は増えていて、将来性を考えるとそれらの競合に勝ち続けなければいけません。
リユース業界で将来生き残る方法を、詳しくまとめてみました。
店舗の強みを持つ
リユース業界で将来生き残りたいのであれば、店舗の強みを生かしましょう。
具体的に言うと、実店舗でしか出来ない親身な接客などが、店舗の強みになります。
リユース業界には、フリマアプリなどで商品を気軽に売買できる仕組みがどんどん増えています。
フリマアプリでの売買だと、人件費などのコストもかからないので、より好条件の価格でやり取りできます。
しかし、実店舗であれば信頼度の高いスタッフが親身になって査定を行えるのです。
こうしたサービスはフリマアプリでは行えないため、将来生き残るための一つの方法になります。
広告宣伝をうまく利用する
リユース業界で今後生き残っていくためには、広告宣伝をうまく利用するのも必須です。
広告というと、以前は新聞折込のチラシなどでした。
チラシやポスターなど、オフラインの広告宣伝を行うのも重要ですが、webメディアななどへの広告も活用しましょう。
オフラインの広告と、オンラインの広告ではターゲットに違いがあるので、両方の広告を出した方が大きな集客に繋がります。
将来性を考えるのであれば、広告宣伝に力を入れるのは必須事項です。
将来リユース業界で働くなら就職?独立?
将来リユース業界で働こうとするのであれば、就職する方法と独立する方法があります。
どちらの方法にもメリットデメリットがあるので、まとめてみました。
就職する際のメリット | ・給料をもらいながらノウハウを学べる ・生活が安定しやすい |
就職する際のデメリット | ・いきなり高収入になる可能性は低い ・自分のやりたくない仕事もすることがある |
独立する際のメリット | ・能力次第で高収入が可能 ・店舗の方向性を自分で決められる |
独立する際のデメリット | ・ノウハウを自分で学ぶ必要がある ・能力が低いと生活が不安定 |
就職
リユース業界の企業に就職した際は、以下のようなメリットがあります。
- 給料をもらいながらノウハウを学べる
- 生活が安定しやすい
就職すると、契約した条件の給与は毎月もらう事が出来ます。
なので、給与を受け取りながら仕事のノウハウを学べるのは大きなメリットでしょう。生活も安定しやすいです。
逆に就職した際のデメリットはこちらです。
- いきなり高収入になる可能性は低い
- 自分のやりたくない仕事もすることがある
就職した際は、初めに契約した雇用条件でのスタートです。
その後の成果で給与が上がることはありますが、いきなり高収入を得られる可能性は低いでしょう。
また、個人の適性を見ながら仕事が割り振られるため、自分が好きではない仕事もこなしていく必要があります。
独立
リユース業界で独立してビジネスをスタートさせた際には、以下のようなメリットがあります。
- 能力次第で高収入が可能
- 店舗の方向性を自分で決められる
独立してビジネスを始めると、自分の能力次第でいくらでも高収入は可能です。
また、店舗の方向性や運営スタイルなども自分で決められるので、裁量の幅は広いでしょう。将来性を考えると、夢が広がるのが独立です。
逆に、独立起業するデメリットはこちらです。
- ノウハウを自分で学ぶ必要がある
- 能力が低いと生活が不安定
独立してリユース業を始めた場合、能力がなければ収入はありません。
能力がないと生活が不安定になってしまうでしょう。
また就職した時と違い、ノウハウは自分で学ぶ必要があります。
将来性を考えると、独立は魅力的ですが就職してスキルを身につけた後でも、遅くないような気もしますね。
リユース業界大手企業売上ランキングトップ5
リユース業界には多くの事業者が参入しています。
リユース業界の中でも大手と言われている企業のトップ5を紹介しておきましょう。
第1位:ゲオホールディングス
企業 | 株式会社ゲオホールディングス |
売上 | 1,684億円 |
事業 | リユース事業 リサイクル事業 ブランド品買取 総合リサイクル事業 |
店舗数 | 1,765店舗 |
セールスポイント | リユース業界のマンモスカンパニーで、あらゆる商材を取り扱っている |
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リユース業界のランキング第1位は、ゲオホールディングスです。
ゲオホールディングスは、「ゲオ」の業態と「セカンドストリート」の業態を中心に全国に展開しています。
幅広い商材を取り扱っているので、リユース業界ではマンモスカンパニーとして有名です。将来性もあるでしょう。
第2位:ブックオフホールディングス
企業 | ブックオフグループホールディングス株式会社 |
売上 | 909億円 |
事業 | 総合リサイクル事業 |
店舗数 | 409店舗 |
セールスポイント | リサイクル業態の最大手企業で、様々な商材を買い取ってくれる |
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リユース業界の企業、第2位はブックオフホールディングスです。
ブックオフホールディングスは8割~9割がリサイクル事業なのでリユースというよりは、リサイクル事業で売上を作っています。
ゲオ同様に、かなり幅広い商材を扱っているので、どんな物でも買い取ってもらいやすいでしょう。
第3位:コメ兵ホールディングス
企業 | 株式会社コメ兵ホールディングス |
売上 | 711億円 |
事業 | ブランド品買取事業 |
店舗数 | 135店舗 |
セールスポイント | ブランド品買取業態の中では、最大手の企業 |
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第3位はコメ兵ホールディングスです。
コメ兵ホールディングスは全国に135の店舗を持っている会社です。
ブランド品買取を主に展開していて、ブランド品買取事業では国内最大手の企業になります。
ブランド品の買取事業は、安定したジャンルなので、将来性も期待出来ます。
第4位:甲南チケット
企業 | 株式会社甲南チケット |
売上 | 599億円 |
事業 | チケット買取事業 |
店舗数 | 33店舗 |
セールスポイント | チケット買取に特化したリユース会社 |
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リユース業界のトップ企業第4位は甲南チケットです。
甲南チケットは、チケット買取販売の大手企業です。
ポイントとしては、チケット買取事業に特化しているので、利益率がかなり低いという事です。
売上高だけで見ると上位5位には入りますが、利益額で見ると100位にも入らないのでは?とも言われています。
第5位:バリュエンスホールディングス
企業 | バリュエンスホールディングス株式会社 |
売上 | 525億円 |
事業 | ブランド品買取事業 |
店舗数 | |
セールスポイント | 「なんぼや」を運営している会社で、ネット集客にも力を入れている |
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リユース業界トップ企業の第5位はバリュエンスホールディングスです。
バリュエンスホールディングスはブランド品買取を主力にしている「なんぼや」を運営してい会社になります。
ネットでの集客にも力を入れていますし、海外展開も始めています。将来性という意味では、これから期待できる会社でしょう。
リユース業界の将来性についてまとめ
今回はリユース業界の将来性について、詳しく解説してきました。不況に強く安定感があるのが、リユース業界の魅力です。
まだまだ将来性もある業界なので、どんどんリユース業界で働かれることをおすすめします。
環境問題などを考えても、今後注目されるのは間違いない業態だと言えるでしょう。
興味があれば、リユース業界について色々学んでみてください。